みなさんこんにちは!
今回も前回に引き続き、歯科と全身疾患についてお話しします。
今回は心臓病・狭心症についてです。
歯周病の原因となるのは、歯垢と呼ばれる細菌です。
歯垢は、 歯磨きが不十分な部分に付着するネバネバした黄白色の粘着物です 。この歯垢は時間とともに量が多くなり、 酸素が少ない状態になると歯垢の中で酸素を嫌う嫌気性菌が多くな ります。
嫌気性菌が歯肉に攻撃を仕掛けて身体の中に侵入しようとし、 身体は菌をやっつけて侵入を抑えようと攻撃します。
これが、歯周病のはじまりで、歯肉からの出血・発赤・ 腫脹などの炎症の症状です。 ここまでの状態であれば歯肉炎ということになります。
出血するということは歯周病菌と白血球が戦かった証です。 出血をそのままにしておくと、 歯垢は歯周ポケットの中に潜り込み、 どんどんと歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。 ここまでくるともう歯周病になります。 歯周病が起こるということは、 口の中で常に炎症が続いているということです。
その際、 炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、 様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。 その血管の中に入ってしまった細菌が心臓にまで行ってしまうと心 臓病のリスクをあげてしまうことになります。
狭心症・心筋梗塞
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、 ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病 気です。
血管内に発生するプラーク
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、 ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、 別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされ てきました。
歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管 内にプラーク(おかゆ状の脂肪性沈着物) が出来血液の通り道は細くなります。
プラークが剥がれて血の塊が出来ると、 その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
脳梗塞
脳の血管のプラークが 詰まったり、 頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病 気です。歯周病の人はそうでない人の2. 8倍脳梗塞になり易いと言われています。
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、 動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、 より重要となります。
歯周病の予防・治療を行うことで、 全身の様々な病気のリスクを下げることが可能です。 日々の歯磨き・口腔ケアを見直し全身の健康につなげましょう。