こんにちは!
歯科衛生士の高山です!
みなさん歯周病と聞いて、歯がぐらぐらする、歯茎から血や膿が出るなどの症状を思い浮かべると思います。ですが歯周病というのは歯だけの病気ではなく全身にも悪影響を与えてしまいます。
なぜかと言うと、歯周病はお口の中に存在する歯周病原菌が原因で起こる物なのですが、歯周病原菌が口腔内に残ったままお食事をしてしまうと、食べ物と一緒にお腹の中に入り栄養が吸収される時に一緒に歯周病原菌も吸収されるので悪い菌が血液にのって全身を巡ってしまうからです。
なので今回は歯周病が引き起こす病気についてお話します。
90年代の後半あたりから歯周病が全身疾患や全身の状態に影響を及ぼすことが明らかになり、全身の健康を守るためにもお口の健康が重要であると認識されるようになってきました。
[糖尿病]
糖尿病には網膜症・腎症・神経障害・末梢血管障害・大血管障害などの合併症があります。歯周病はこれに続く第6の合併症と捉えられています。そのため糖尿病患者さんの多くに重度の歯周炎が見られます。また歯周病の炎症でサイトカインという悪い物質が作られ、その内のある種のものがインスリンの効きを阻害するため、歯周病患者は血糖コントロールが改善しにくくなります。したがって、歯周病治療を行うことで炎症が収まり、サイトカイン濃度が低下すれば血糖コントロールの改善に影響を与えると考えられています。
[骨粗鬆症]
骨粗鬆症は男性より女性が特に罹患率が高く閉経後に発症しやすいです。骨粗鬆症の患者さんが歯周病が進行しやすい原因として考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなります。なので歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では炎症を引き起こす物質が作られ歯周炎の進行が加速されると考えられています。したがって閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく広がりやすい状態にあると言えます。また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。
[早産・低体重児出産]
妊娠中はホルモンの変化などによって歯茎の炎症が起こりやすくなります。そのため歯周病になる人も少なくありません。妊娠の経験がある方は歯科医院で"妊娠性歯肉炎"と言われたことがあるかもしれません。これが早産や低体重児出産の危険度を高めています。歯肉の血管から侵入した歯周病原性細菌やサイトカインが血流に乗って子宮に達すると、子宮筋の収縮を引き起こして早産や低体重児出産になる可能性があります。最近の報告によると、歯周病にかかった妊婦さんに低体重児出産が起きるリスクは健常者の4.3倍程度と言われています。
[誤嚥性肺炎]
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。特に要介護の高齢者などは、飲み込む力や咳反射が低下しているので、唾液や歯垢などが気管に入りやすく誤嚥を引き起こしてしまい、誤嚥性肺炎になります。特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールがとても重要になります。
[動脈硬化]
歯周病の人はそうでない人の1.5〜2.8倍、循環器(心臓・血管・リンパ管など)の病気を発症しやすいといわれています。
歯周病菌や歯周病菌の作り出す毒素は、血管に入り込んでその内側に付着、炎症を起こします。そこに、悪玉コレステロールが沈着し、コブのようになります(=動脈硬化)。そしてそのコブは次第に大きくなり血流を阻害し、血管が詰まってしまうというわけです。
血管中で、コレステロールなどの脂質が沈着している部分で、歯周病菌が検出されたという結果も報告されています。
このように歯周病は口腔内だけではなく全身に悪影響を及ぼしてしまうのです!!
定期的に歯科医院での検診を受け歯周病のチェックを行うことでこれらのリスクを回避できます!
痛くないからと言って歯科医院に行かないのは間違っています!
痛くなる前に定期的に通いましょう!!
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